フィラリア症 フィラリア症とは、フィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が心臓や血管の中に寄生することによって起こる病気です。咳や腹水が代表的な病気の症状です。寄生した成虫は20〜30Bにもなります。感染経路が特徴的で、フィラリア成虫に感染してしまった動物(一般的には犬ですが、猫やフェレットでの報告も増えています)の血液中にはミクロフィラリアという子虫が泳いでいます。この子虫を蚊が吸血する際に同時に吸引します。蚊の唾液腺という部位で約2週間すごした子虫は感染能力を持ち、同じ蚊が動物から吸血する際にその動物の皮膚の下に感染します。子虫は皮膚の下や筋肉内を3、4ヶ月かけて移動し、寄生部位である心臓や血管内に到達して成虫になります。感染してしまった成虫を駆除することは危険を伴うことがありますので、成虫になる前の感染初期の子虫を駆虫して、成虫感染を予防するということが大切になります。今主流になっている予防方法は、蚊が飛び回る季節の間、毎月1回の投薬によるものです。お薬は錠剤、散剤、お肉のようなチュアブル、皮膚に滴下するタイプと様々です。どのタイプのお薬でも、蚊に吸血され、フィラリア子虫が寄生した後に投与する必要がありますので、蚊が出始めてから投薬を始め、蚊が見られなくなった後にも最低1度は投薬する必要があります。近年では1年を通して投薬をしたほうが安全だという意見もあります。お家の中で生活している動物であっても、蚊が入ってきたり、散歩や車に乗っての外出時に蚊に刺されることがあると、感染する危険性があります。実際に室内だけで生活しているワンちゃんの数パーセントに感染が認められたという報告があります。もともとはワンちゃんだけの病気と考えられていましたが、ネコちゃんも感染し、突然死の原因のひとつとなっているといわれています。当院でもフィラリア症により命を奪われてしまったネコちゃんがいました。
フィラリア症は、その病気にならないために予防ができます。また、残念ながら今感染してしまっている場合でも、症状を抑えること、今以上に成虫や子虫を増やさないことが必要だと考えています。フィラリア予防薬は「要指示薬」といい、獣医師が検査をし、診断した後に処方できるお薬です。より安全に予防、投薬をするためにも、感染の有無を判断するためにも、投薬前の検査が大切です。フィラリア予防薬の投薬に必要な検査は血液検査です。血液を少量いただき、ミクロフィラリアやフィラリア成虫の有無を判断します。折角血液をいただくのですから、肝機能や腎機能を評価する血液検査も同時に行ってもいます。この機会にぜひご利用ください。
確実な予防は、適切なお薬の投薬だと考えています。ご不明な点がございましたら、お気軽に病院スタッフにお問い合わせください。 |