動物の義足 (アメリカ出張報告) 

こんにちは。獣医師の大山です。
少しご報告が遅れてしまったのですが、年明けの1月6日~14日にかけて米国コロラドへ研修に行って参りました。
今回はこの場をお借りして、学んだことをほんの一部ですがご紹介させていただきます。

今回の研修の最大の目的は、
「動物の義足(義肢)」に対して、
1.義肢を装着するまでの流れ
2.義肢装着前後のリハビリテーション
を習得することでした。
院長とリハビリを担当している理学療法士2名と一緒に参加してまいりました。
 米国コロラド州立大学ではリハビリテーションを主に学び、Orthopets社では動物の義肢装具に関する理論から義肢作成の流れ、義肢装着後のトレーニング方法まで学びました。

 交通事故などによる激しい外傷、あるいは腫瘍の発生などによりやむを得ず断脚が必要となるワンちゃん、ネコちゃんがいらっしゃいます。
 義足(義肢)の歴史は古く、ヒトでは紀元前より四肢を失った人のために作られていたとされています。
 一方で動物の義肢については歴史は浅く、成功例も決して多いとは言えません。これまで、動物は断脚をしたとしても3本肢での歩行に慣れることで十分な歩行を獲得することができるという認識があり、動物の義肢は難しいとされていました。しかし、3本肢での歩行は、健常な動物の歩行とはかけ離れており、体重の負荷がかかる部位も変化するため、長期的にみると体に大きな負担がかかる可能性があります。
 Orthopets社では、様々な疾患に対する装具を作製しており、義肢作製にも取り組んでいます。義肢を装着するまでの流れは簡単にまとめると以下のようになります。

1.手術(断脚)の実施

2.手術後の肢型の型取り、仮義肢の作成(写真)

手術直後に型取りを行い、写真のような仮義肢を作製します。

3.抜糸まで(10~14日程度)は仮義肢での歩行練習
仮義肢作成の最大の目的は、「肢を床に付ける感覚を忘れさせないこと」です。
そのため、早い段階でのリハビリ介入が必要となります。写真のような仮義足を作製し、手術縫合部の抜糸までの間、出来る限り仮義足を取り付けての歩行練習を行います。断脚後に残った肢の筋量は使用しないと落ちていってしまうため、筋力強化にもつなげていきます。もちろんこの間に、患部のアイシング(冷やすこと)やレーザーを当てて、患部の痛みの緩和や血行促進、治癒の促進につなげていきます。

4.抜糸をした上で本義肢の型取り、義肢作製の依頼
抜糸が完了した段階で、再度型取りを行い本義肢の作製を依頼します。

5.義肢の装着
義肢が到着したら、実際に肢に取り付けて再度歩行練習に取り組みます(日本から米国に作製を依頼するため、到着までには3~4週間を要します)。1日に装着する時間を少しづつ延ばしていきます。義肢が外れやすかったり、上手くフィットしない場合はベルトの位置を調整したり、内部のパッドを張ったり、削ったりすることで少しずつ調整していきます。問題が生じる場合は、その都度対処していきます。



Orthopets社では、調整方法についても実践的に学んでまいりました。(写真)

今回は学ばせていただいたことを、ごく一部ですがご紹介させていただきました。
今回学んだことを必ず患者様に還元していきます。義肢を装着して、断脚前の歩行とほぼ変わらない歩行を獲得できるワンちゃん、ネコちゃんを目指して努力してまいります。


米国コロラドの気温はこちら深谷市と大きく変わりませんでしたが、最終2日間で雪がたくさん降りました。。
今回もアメリカンフードは自分には合わないなぁと感じつつ、、体重を増やして帰国いたしました。。日本に戻ったら、すぐに体重も元に戻りましたが、、

蛇足ですが、先日深谷シティハーフマラソンに米国も一緒に行った理学療法士の浅野さんと参加して参りました。今年で2回目です!

私はふっかちゃんを帽子に乗せ、ネギを持って走りました(笑)、浅野さんは出身の熊本からくまモンです!ふっかっちゃんVSくまモン、2人仲良く無事完走いたしました!沿道の方々からの声援はほんとうに励みになります。。

実は、再来週には板橋で開催されるフルマラソンに参加予定です。練習不足で筋力に大変な不安があります、、、無事完走なるか、次回ご報告させていただきます!

大変長いブログとなってしまい申し訳ありません…。