牛のアルバイト

さて、遠い昔のアルバイトの話をします。

学生の頃、牛の世話のアルバイトをしていました。

牛の知識ゼロ、牛を扱う技術ゼロで面接に行き、雇用主の希望する平日勤務ができない学生でしたが、雇ってもらうことができました。
 

とても優しい方ばかりで、丁寧に仕事を教えてもらっても、失敗ばかりで役に立っていない私は当時、雇用主のご夫婦と従業員のお姉さん、お兄さんたちに感謝しておりました。
今思い返すとなぜクビにならなかったのかと、不思議に思えてくるほどです。
 

仕事内容に関する失敗例は言えないですが、仕事以外では車のカギをインロックしてしまい、20時すぎに街灯もない田舎道を徒歩で帰ろうとしていた私を自宅まで送ってくださいました。
(着替えも車の中なので、牛の排泄物にまみれた作業服を着た状態です!!!)

 

そんな、恵まれた人間関係の中で1度だけ、「殺されるかもしれない」と感じたことがあります。

それは発情中のホルスタインに走って追いかけられた時です。
 

体重600㎏から700㎏で、顔の高さは自分より上にある巨体。

ホルスタインの方が、明らかに力が上です。
追いつかれたら、押し倒されたら、踏まれたら、絶対にかないません。
 

必死の思いで逃げ、安全地帯に逃げ込むことができました。

今までの人生で、死ぬかもしれないと思ったのはあの一度きりです。
 

この話をすると、獣医師さんはたいてい笑ってくれます。
牛をよく知っているからでしょうか?

獣医さん向けの、私のすべらない話です。