義肢装具

どうぶつ本来の幸せを取り戻すために

 これまで事故や病気で足先やパットを無くした、手根や足根部の炎症(リウマチ等)や腫瘍等で歩けなくなった動物に対する治療は断脚が唯一の選択肢でした。前十字靭帯断裂やアライメントを崩した動物はまともに歩けません。2016年にコロラド大学(CSU)を訪ねた院長の小林は上記の疾患で四肢の自由を失った犬が健常な犬と一緒に元気で走り回るところを見て大きな感動を覚えました。そして今、日本でこの装具や義足を使うことができるようになりました。元気に遊ぶどうぶつの姿を見て、ご家族の安心と喜びに触れて、私たちもまた感動と勇気をいただいています。

 2018年5月と2019年1月、獣医師2名理学療法士2名がアメリカコロラド州の Ortho Pets(オルソペッツ)に赴き、装具作成するまでの流れ、型取りの方法、装具の修正方法、装具装着下でのリハビリの方法等を学びました。
 Ortho Petsの症例は装具のズレがとても少なく、ズレが少ない分装具としての力学的な効果が現れやすく、どうぶつたちも体の一部のように扱っている印象がありました。
 アメリカでの症例は大型犬が多く、日本のような小型犬の症例は少ないため、今後小型犬に関しては当院とOrtho Petsとの密な連携を取り合い、適切な装具が提供できるよう努める必要があると思われます。

義肢装具の作成

 断脚したどうぶつの歩行の手助けや身体の安静、関節の負担の軽減、異常運動の制御をするために義肢装具を作成しております。当院の義肢装具はアメリカコロラド州にありますOrtho Petsと提携し、作成させていただいています。

義肢装具の適応

術後の安静のため、手術が困難または希望しない症例、体のアライメントの崩れにより発生している歩行障害
(例)

  1. 断脚であれば前腕または下腿が約40%残存している状態
  2. 前十字靭帯損傷、アキレス腱断裂、足根間関節・手根間関節の過伸展、膝関節・肘関節のアライメント強制等

義肢装具作成までの流れ

  1. 診察により適応と判断
  2. 当院にて型取り、計測、動画写真の撮影
  3. 型取りした型、データをOrthoPetsへ郵送
  4. OrthoPetsにて作成(送ったデータ以外で不明な点があれば情報交換を行い作成する)
  5. Ortho Petsから当院に装具が届き、フィッティング(装具を実際に装着し、効果があるか、ズレがないかのチェック)
  6. 装具になれるためのリハビリの提供
  7. 装具による皮膚の擦れや緩み等を定期的にチェック

Ortho Pets について

 OrthoPetsとはアメリカデンバー北西部郊外のコロラド州ウェストミンスターを拠点としてどうぶつの義肢装具を作成している義肢装具製作所になります。これまでOrthoPetsは35カ国から13,000以上のペットに関わり、毎月平均180症例の義肢装具を各国へ提供している世界規模で活躍している義肢装具製作所です。
 OrthoPetsの義肢装具は動物の動作分析、姿勢を評価するところから始まり、3Dスキャナー、パソコン上での編集、3Dプリンター等を駆使し力学的にどのように義肢装具の力が加われば動物が楽になるのか、生活の質が上がるのかを考察し、症例それぞれに合った最適な義肢装具を作成しております。
 

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